初恋のキミへ。


「あいつになにされたんだ?」


一番気になっていたことを口にした。


「…私、本当に大好きだったの…
だけど前に進みたかった。ずっと。
やり直したいって言われて…
もうやり直せないって、
これで終わりにしたいって言ったの…
そしたら…無理矢理抱きしめられて…
キスされた…。
私、怖くて…好きだったはずのユウトを
初めて怖いって思って…
突き飛ばしたの…
それで走って帰ろうとしたんだけど…
追ってきてたから…
そんなときに元輝が浮かんで…」


そう言われて、その男を殴り殺してやりたかった気持ちが吹き飛んだ。

初めて未波から俺を頼ってくれたことに嬉しかった。

俺を思い浮かべてくれたことに、幸せを感じた。


「俺はお前になにかあった時、
いつでも飛んできてやる。
だからいつでも俺を呼べよ」


「ありがと…」


「…良かった。」


「え?」


「お前があいつのとこ行っちまうんじゃないかって…お前と2人にしたこと後悔してたんだ。」


「私はもうユウトを忘れるから」


「安心した。それ聞いて」


「本当にありがとう」


「お前に頼られて、俺は嬉しかったんだ。
だから礼はいらねぇ」


「ふふっ。」


「笑うなっつーの。」


そう言うとまた「ありがとう」と言って笑ってくれた。

その笑顔を俺だけのものにしたい。

そう強く願った。
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