優しさにつつまれて
私は武蔵の目以外を見られなかった。
目をそらさす事が出来なかった。

「あいつは、どこどこ大学に決まった」
とか、
「あいつらは、卒業の前に別れたんだって」、
「あいつに、この前会ったら髭生やしとったんじゃけど、似合おてなかったんじゃけぇ」、
と、くだらない事を、生き死に淵でさまよってる武蔵にぶつけていた。

その内、彼が「・・・・・・・」
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