猫が生まれた日
たとえばバイバイを言った後に
お互い背中を向けた後に

君がチラリとあたしの後ろ姿を見たら

意味なんかなくても

あたしの知らない君が
あたしの知らないあたしを見たことを
あたしは知らないまま生きてゆく

あたしはなんにも知らないけれど

あたしに知られないから
価値があって意味があって
あたしをどうにかできる世界がある

あたしはその世界を知りたくて仕方ない
知ったら全て消えてしまうとしても
知ったら後悔するとわかっていても

知らなければ良かったと
きっと泣くに違いないけれど
< 130 / 140 >

この作品をシェア

pagetop