…好きだったから。

一緒に暮らせば楽しく、笑い合っていられる。ずっと一緒にいられる。

生活費は2人で仕事すれば余裕。

そうやって、2人で力を合わせて暮らして行こう。

それが2ヶ月前の4月。引っ越した初日に確かめ合ったお互いの気持ち。


「さーてと、洗濯して掃除してっと…」

わたしは窓を閉め、気を取り直し屈伸をした。


アルバイト情報誌や就活資料が無造作に詰め込まれた大きめのトートバッグ。

その中から千鳥柄のカバーがついた手帳の6月のページを開き、今日の日付にバツ印を書き込む。

6月に入ってもう10日。


ついこの前まで、まだまだ冬だな~。なんて余裕こいてたのに、春を通り越す…。

時間が流れるのが思ったより早くて、その流れについていけない。

もっと時間があればいいのに。

全然足りないよ…。
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