俺様の飼い猫。
不意に抱きしめられたことに、まだ頭がついていかなくて、思考回路が困ってる。

「飼わなきゃよかったとか…言っちゃだめですよ…。」

気が付けば、そんなことを口走っていた。

「何で…?」
「ひなが可哀相…。」
「俺には、こっちの日奈子の方が大事だ…。」
「え…ちょ…っ。」

御堂さんの長くて節ばった手が傷口に貼られた絆創膏に触れて、そのまま胸に触れた。

「この肌を傷付けるなんて、許さない。」
「何、言ってんですか…っ!」

エスカレートする御堂さんの行為に、身体が言うことを聞いてくれない。

―ガリガリッ

「「!!」」

ニャー

ひなの鳴き声で、御堂さんの手が止まって、ゆっくりあたしから離れた。

「御、どさ「悪ぃ…今日はもう寝ろ…。」
「あ…。」
「おやすみ…。」

―バタン

音と共に閉じられたドアをあたしはただ見つめた。
あたしから離れた後の御堂さんの表情は見えなかった。

何だろう…
怖かったけど…
嫌じゃなかった…
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