白衣の悪魔に恋してる
沈黙から一変、



一気にざわめき出した教室内。



「センセー!!何しに来たの?」



「先生!!あたし、お腹が痛いデスっ!!」



「あっ、俺も!!」



先生はそんなクラスメイト達の声をシカトし、



真っ直ぐあたしの座る椅子の横へとやって来ると、



「坂下…お前、熱あんならさっさと保健室来いよ。」



「だって…」



「あ?」



うっ…



先生…



めちゃめちゃ怖いよぅ…



パッと目を伏せるあたしを見下ろしながら眉間に皺を寄せた。



「だって?なに?」



だって…



「だって…スッピンだし…髪…グシャグシャだし…」



そう。



こんなみすぼらしい姿…



先生にだけは見られたくないよぅ…



そして顔を両手で覆いながらボソボソと呟くあたしに呆れたのか、



はぁ~っと大きなため息をつきながら肩をガクっと落とした先生は、



「あ~続きは保健室でゆっくり訊いてやるから…行くぞ。」



あたしの腕をガシッと掴んできた。

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