*Tiara*〜天使の君〜
「ぼくたちも行かないと、兄さん。」
私は楽しかった時間が終わってしまうと思うと、さみしくなった。
「ティアラ?また今度話してやるから、そんな顔するなよ。」
知らないうちにそんな気持ちを顔に出してしまったみたい。
リオン兄様は申し訳なさそうに私を見ていた。
2人に仕事をがんばってもらいたかったから、そんな気持ちを心の奥に押し込めて、
「えぇ、約束よっ。お仕事がんばってきてね。」
精一杯の笑顔でそう言った
2人は部屋から出て行こうとしたけれど、リクス兄様は何か思い出したようにリオン兄様を制止した。
「兄さん!!あれを…」
リオン兄様もなにか思い出したみたい?
「そうだった。忘れる所だったよ。はい、これ」
リオン兄様は小さな箱を私に手渡した。