引き金引いてサヨウナラ


「国連は、介入することはない。
合衆国だって、軍隊を派遣なんてなったら、ヘタしたら世界大戦へ発展しかねない。
今頃になってなんでそんなことを言うんだ」


訝しげに問い掛ける仁に、弘は手のひらで目を覆った。


「弘……?」


叶からの呼びかけに、弘は戸惑いながら言葉を返した。


「叶……晴香からきいてないのか?」

「晴香? いや、何も」


叶の返事に、弘は何かを振り払うように──まるで頭の中の負の思考を無理矢理追い払うかのように、激しく頭を振った。


「一体どうしたんだ?」


そんな弘の行動に、漠然とした不安が、叶たちの心を支配する。


そしてようやく弘は口を開いた。


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