引き金引いてサヨウナラ


弘と叶が候補生となり訓練をしている頃ですら、美菜たちの日常はほとんど変わらなかったことで、美菜はどこか軽視していたところがあったように思う。


起こっていることは現実なのだと、受け止めきれていなかったのかもしれない。


弘と叶の情報があまり入ってこないことに晴香はやきもきしていたが、候補生が出立したというニュースがないことで不安は和らいでいたので、晴香も大丈夫なんだと思っていた。


戦火は確実に広がっていて、生活品の購入などが少し不便と感じることが増えたが、母親がそうぼやいているのを聞いたくらいで、美菜自身はあまり感じていなかった。


ただ美菜も晴香も、ぼんやりと空を見ることが増えた。


そしてそれについては、お互いに何も言うことはなかった。


言わなくとも通じていたからか、言うことで何かが動き出してしまうのを恐れていたからかもしれない。


感情か、現実か、が。


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