引き金引いてサヨウナラ


陸から離れた四機は、相手国の領空にさしかかる前に互いに間隔をとった。


万が一発見されても、全滅を防ぐために。


そう指示されたとき、ふと思い出したかのように弘が叶に呟いた言葉を、叶は思い出していた。


『高いところは苦手なんじゃなかったのか』


叶が答えようとすると、弘はそれを遮った。


『帰ってきたら聞く』


そう言った弘は、寮に来た日に見せた失態を拭い去ってあまりある、勇敢な顔付きをしていた。


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