引き金引いてサヨウナラ
しばらくすると前方に、うっすらと相手国の軍勢が見えた。
気付かれないくらいの場所から、わかる範囲で必要な情報を頭に叩き込み、そこを離れる。
訓練中から、いや、偵察の命が下ってからも、何度も何度もシミュレーションを繰り返していたことだ。
しかし実際に敵を目の当たりにしてとなると、体が震える。
それでもどうにか頭に入れ、その場を離れる。
と同時に、仁から通信が入った。
『弾道ミサイルの射出台を発見! 駆逐する』
叶が「待て」というより早く、仁の機体に一番近くにいた和也の声が流れた。
『やめろ!』
『なぜだ!? 今ならまだ発射される前に……』
『ばかやろう! それは俺たちの任務じゃない。それにもし弾頭が核だったら、俺たちまで吹っ飛ぶぞ!!』