引き金引いてサヨウナラ


弘はぼんやりと空を見ていた。


ぷちん、と何かが切れる音がした。


「晴香」


寮に入る間際、晴香にもらった御守り。


首から下げられるようになっていて。


『こんなダサいのつけられない』


なんてふてくされた顔を晴香に見せたが、本当は凄く嬉しかった。


それが今、結び目がとれて宙を舞っている。


最後の最後まで、候補生へ志願することを反対していた晴香の顔が思い浮かぶ。


散々罵られて、泣き喚かれて。
それでも弘の意思が変わらないと知るや、この御守りをくれた。


こんなことになるならば、ちゃんと有難うって言えば良かったな――


< 188 / 221 >

この作品をシェア

pagetop