引き金引いてサヨウナラ
弘はぼんやりと空を見ていた。
ぷちん、と何かが切れる音がした。
「晴香」
寮に入る間際、晴香にもらった御守り。
首から下げられるようになっていて。
『こんなダサいのつけられない』
なんてふてくされた顔を晴香に見せたが、本当は凄く嬉しかった。
それが今、結び目がとれて宙を舞っている。
最後の最後まで、候補生へ志願することを反対していた晴香の顔が思い浮かぶ。
散々罵られて、泣き喚かれて。
それでも弘の意思が変わらないと知るや、この御守りをくれた。
こんなことになるならば、ちゃんと有難うって言えば良かったな――