引き金引いてサヨウナラ


そんなとき決まって仲裁に入るのは和也だった。


候補生たちの中で、きっと一番辛いのは和也だ。


皆そう思っていたから、和也に間に入られると、渋々ながらも拳を下げた。


叶は、先の件もあり、そんな和也に尊敬の念を抱くようになっていった。





しばらくして、弘に面会出来るようになったと連絡が入った。


叶は真っ先に和也を誘って面会に行く許可を貰い、病院へ急いだ。


叶たちが病室に入ると、ベッドに仰向けに寝転んでいた弘が、小さく手を上げた。


「よぉ」


いつも通り気さくな弘の声に、叶は一瞬、病室ではなく弘の部屋に遊びに来たような錯覚をおぼえた。


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