引き金引いてサヨウナラ
「思ったより元気そうだね」
そう言った叶に、弘はポリポリと頬を掻いた。
意識もしっかりしているようだし、血色も悪くない。
「あ~……まぁな」
歯切れの悪い弘に、叶は違和感を覚えた。
それに、布団に覆われた弘の足元が、いやに膨れ上がって見える。
弘は叶の視線に気付き、苦々しく笑いながら吐き捨てるように言った。
「足、動かないんだわ」
ポツリと言った言葉が、一気に病室の中に張り詰めた空気をもってきた。
「もう、立ち上がることさえ困難だって」
そう言った弘は、ふう、とため息をついた。