引き金引いてサヨウナラ
「守るよ、美菜の世界を」
そう言って、叶は静かに微笑んだ。
戦争に行くのは怖い。
死にたくない。
だが、仁の遺志、弘の無念をおもんばかる。
ここで投げ出すのはもっと嫌だと思った。
そして、守りたいと思う存在が、自分を何度でも立ち上がらせてくれる。
「美菜の世界を変えたのが僕だというのなら、美菜の世界を守るのも僕でありたい」
美菜は、そんな叶にぶつけるように言葉を投げつける。
「私、いやだよ!
弘があんな風になって……
もしこれ以上、叶までっ……」