引き金引いてサヨウナラ
そんな美菜の表情を見ながら、叶はずっと美菜からの言葉を待った。
そして微笑む叶を前に、美菜がやっと本当に喋りたかった言葉を発した。
「叶は、これからどうするの……?」
叶は美菜の言葉を、またもう一度囁く。
「どうするの?……か」
美菜が見守るなか、叶はそっと額に手をあて、考え込んだ。
それは、弘がこうなったあと、きつく蓋をした言葉だった。
仁が殉死し、弘は立ち上がることすら困難になった。
美菜の世界を守り、生きる証を刻むのだと自らを奮い立たせていたが、本当は逃げ出しそうになる自分を必死で抑えていたのだ、ということに改めて気付く。
だから真正面から来られると、美菜どころか自分を納得させることも難しい。
返事を待つ美菜の気持ちを鑑み、叶はゆっくりと口を開いた。