引き金引いてサヨウナラ


――爆弾?


爆発の聞き間違いかと思った。


何かの原因で爆発が起き、大規模な火災になったのかと。


怒号が飛び交う中、美菜は達也に腕を引かれながら、混乱している頭を必死に落ち着かせようとしていた。


「ねぇ、一体何があったの!?」


美菜のその問いに答えられるものは、誰もいない。


達也も柚江も美菜をせき立てるばかりで、質問に答えようとはしなかった。


彼らもわからないのだ。


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