引き金引いてサヨウナラ
何か叫んでいるのはわかるのに、内容は全然聞き取れない。
外へ出ても、何がなんだかわからない。不安が増す。
辺りを見回して状況を確認することさえ考えつかず、ただ怯えて空を見上げることしか出来なかった。
「柚江!」
聞いたことのない、必死な声を出す父。
呼ばれた母の柚江は、隣家の玄関から家の中へ声を掛けていた。
姿を見留め、慌てて美菜と達也の元に駆け寄る。
隣家に掛けた柚江の言葉は、美菜にもはっきりと聞こえていた。
『爆弾が──!!』
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