四季〜二人で歩む季節〜
シゲはあたしが部屋に入るまで待っていてくれた。
今日も変わった様子はなく、ホッと一息ついて買ってきたばかりの缶ビールを開けた。
その瞬間、ピンポンとチャイムが鳴る。
思わず体がビクッと反応した。
森田さんなんじゃないかと、恐る恐る玄関の覗き穴から外を窺って肩の力が抜ける。
鍵を開けて扉を開くと、そこには相変わらず全身黒づくめのレンが立っていた。
「どうしたの?」
「あいつ、来てないか?」
「うん、来てない。」
「そっか。
じゃあ、帰るわ。」
「えっ?
入んないの?」
「様子見に来ただけだから。」