四季〜二人で歩む季節〜


悟くんが乗っている車は、前にレンが乗っていた車。


だけど、レンが乗っていた時とは違う匂いがしてちょっぴり切なくなった。


「俺、ミユさんの家知らないんで、案内お願いします。」

「うん。」


あたしを気遣ってくれて、悟くんはずっと会話が途切れる事なく話してくれた。


「そこ、あたしのアパート。」

「あっ、はい。」

「悟くん、本当にありがとうね。」

「いえ。」

「これからレンに会うの?」

「はい。」

「じゃあ、心配かけてごめんねって伝えてくれるかな?」

「わかりました。」


あたしが降りると、悟くんはゆっくりと車を発進させた。
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