四季〜二人で歩む季節〜


急いで車から降り、エントランスへと走る。


「ミユさん!
レンさんの事信じて下さい。
お願いします。」


後ろから悟くんの声が聞こえたけど、振り返る事もせずマンションの中に入った。


部屋に入ると、あたしは冷蔵庫から缶ビールを取り出し、それを一気にあおる。


次から次へと缶を空けてみても、酔う事が出来なかった。


カーテンのすき間から外を眺めると、綺麗な丸い月が輝いていた。


暗闇を照らす月を見ながら、あたしはハッと我に返る。


あたしは一体何を考えていたんだろう?


こんなに悩まなくたって、答えは始めから決まっていたんだ。
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