四季〜二人で歩む季節〜
ぼんやりと霞む月を見て、今のあたしの気持ちと一緒だなぁと思った。
レンは今、何をしているんだろう。
その瞬間、部屋のチャイムが鳴る。
ドアを開けてみれば、あたしはそこに立つ人の姿に目を丸くした。
「…レン。」
「よっ。」
あたしの横をするりと抜け、レンは部屋の中へと足を進める。
「どうしたの?」
「お前に会いたくなってさ。」
恥ずかしげもなくそんな事を言うレンに、あたしはどうしていいのかわからなくなる。
「こっち来たら?」
まるで自分の家かのようにレンはベッドに寝転び、そして自分の横をポンポンと叩いた。
ゆっくりと近付くあたしを優しげに見つめて、ベッドの横に立ったあたしの腕をレンは引っ張る。