四季〜二人で歩む季節〜


「真琴、お疲れ様。」

「ありがとう。
ミユが居たから、あたし頑張れた。
本当にありがとうね。」


お花見をした日から1週間後、真琴はお店を辞めた。


最後の日は、真琴のお客さん達でお店がいっぱいになり沢山の花に囲まれて、彼女は涙を浮かべていた。


真琴が辞めてしまうのは寂しいけれど、彼女の幸せの為だからあたしは笑顔で送り出す。


真琴と共に過ごしたこの1年余りの時間を、あたしは絶対忘れない。


「真琴さん辞めちゃって寂しいですね。」

「そうだね。」


シゲがあたしを気遣ってか、ルームミラー越しにそう言った。
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