KEEP OUT!!

「まぁ……」

「まぁ?」

「色々考えるんじゃないか?」

「うん」

「…………」

「…………ってそれだけ?」

 あまりにも漠然とした返答に思わずガクッ、とカウンターに崩れる。

 ダメだこの人。

 参考の“さの字”にもなりゃしない。

「なんだ。この解答じゃ不満だってぇのか?」

「不満っていうか……」

 語尾をゴニョゴニョと濁すわたしに草にぃは「まぁ待てよ」といって新しいカップを1客出すと、自分のカップ分と一緒に珈琲を注いだ。

「ほい。ミルクと砂糖」

「ありがと」

 しばし沈黙。

 あいかわらず客足はまったくなく、店内には珈琲を冷ます息の音とBGM、そして屋根や窓を打つ雨音だけがアンニュイに響く。

 と。

 どちらからともなくカップをソーサーの上に置き、わたしがふっ、と息をはくのと同時に、

「おまえの悪いところはな。答えを急ぐところだ」

 そんなひとことから話が再開した。

< 92 / 222 >

この作品をシェア

pagetop