先輩と私

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放課後。
私は、いつも沙樹ちゃんと一緒に教室に残る。

先輩は部活中。

先輩の部活が終わるのを待つ。この時間は好き。明日の予習や今日の復習をしたり、沙樹ちゃんと喋ったりする。

すぐに時間は過ぎてしまう。


私は、料理部。お菓子作りが基本だ。週一。ほとんど、帰宅部。だから、先輩を待てる。
沙樹ちゃんは、文芸部。いっつも、教室に残って小説を書いている。学校に延長コード持ってきて、パソコンを使っている。今まで学生生活をしてきたが、こんな事をしているのは沙樹ちゃんくらいだ。


沙樹ちゃんのパソコンを打つ音と私のシャーペンの音だけが教室に響く。

教室の窓が開いていて、カーテンが揺れる。外から、運動部の生徒が部活をしている声が聞こえる。



沙樹ちゃんは、お菓子をくわえながら、キーボードを打っていた。


「沙樹ちゃん、何書いてるの?」
「んーー?」


彼女は、チラッとこっちを見ると、また、画面に目を戻した。そして、口の中のお菓子を食べて簡潔に答えた。


「しょーせつ。フィクション」


私の周りってこういう対応の仕方の人多いな。


「………お菓子貰うよー」
「どーぞ」


彼女がさっき買ってきたお菓子に手を出す私。
お菓子は80%カカオチョコ、シュガーレスガム、じゃがりこetc。
その中にホワイトチョコレートが1つ入っていた。彼女が嫌いそうな甘いお菓子だ。

私が不思議に思ってそれを取り出し、見ていると、いきなり、彼女の手が伸びてきて、そのチョコを掴んだ。
そして、そのチョコで私の頭をポンと叩くと、にやっと笑った。

「ほら、これでも食べて頑張りなさい」

彼女はにやにやと笑うと、また、パソコンに目を戻した。


「うん」

私は小さく返事をした。
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