ケイカ -桂花-
目を疑った。

マミまで?

制服姿で目をクリクリさせて宮崎を覗き込んでいたあのマミが、水色の服を着て気味の悪い笑顔で歩いて来る。

私の知っているマミとはかけ離れていて、まだ信じられずに立ち止まって見つめた。

一団は少しずつ近づき、マミだとはっきりと確信させた。

さらに近づいて1~2メートルの距離まで来た時、マミと目が合った。

見てはいけないものを見てしまった、そんな空気が私とマミの間に流れた。

早く目を逸らさなきゃ。

だけど次の瞬間、マミはニヤリと笑った。

ずっと浮かべてる微笑とは明らかに違う笑い。

作った笑いじゃなくて、心の中がそのまま表れた本当の笑いだった。

何事も無かった様に私の横を通り過ぎる一団。

今、なんで、笑った?

その笑い方、なに?

どう?みたいな、まるで、勝ち誇ったみたいな笑い方。

確実に上から見下していた。

私がマミにそんな風に見られるなんて、あれしかない。
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