Je t'aime?




ガミくんを見送ってから私が向かったのは、職員と来客用の出入り口。



そこは職員室や事務室ばかりということもあって、昼休みにあまり生徒を見かけない。



それに公衆電話も置いてあるせいか、この付近の階段に座ってケータイで話していても問題ないようで、先生もなにも言わない。



だから私はときどき、ここに来て祐太に電話をしたりする。



昼休みのこの場所は、いつしか私の占有地となっていた。







耳に当てたケータイから、プップップッと接続音が聞こえる。



そしてプルルッと鳴った瞬間に、



『もしもし』



とつながった。



「祐太?今、平気?」



たまに仕事中だったりするから、お昼に電話するときは、必ずこう聞く。




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