Je t'aime?




「暑ーい!」



河口湖。



太陽が照りつける駅前のバス停には、大勢の人が行き来していた。



私たちは今からレトロバスに乗って、目的の美術館へと向かう。



「やっぱりキャンプにしなくて正解だったね。この暑さじゃ、ウジェーヌじゃなくても倒れそう」



まだ到着もしていないのに、紗江子が音を上げている。



とは言っても、私も同じ気持ちだった。



とにかく、早く涼しいバスに乗って、涼しい美術館に入りたい!



「なにもここまで晴れなくてもなぁ」



と、ガミくんも空を見上げて眩しそうにしていた。



その横では、ウジェーヌがデジカメで駅の写真を撮りながら笑っている。



早速私たちはバスに乗り込んだ。



ふたりがけの座席の並び順は、なぜかガミくんと紗江子。



そして、ウジェーヌと私。




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