Je t'aime?
適度に冷房の効いたガミくんの部屋は、男の子にありがちなモノトーンの家具で統一されていて、きちんと片付いていた。
汗もひいたところで、オシャレなティーカップに淹れられた紅茶をすすりながら、私たちはさっそくウジェーヌくんに質問した。
「学校来るのは三週間って言ってたけど、その後はすぐにフランスに帰るの?」
「いえ、なつやすみが終わるまで、ここにいます」
「だからさ、夏休み、四人でどっか行こうぜ」
「いーねー!賛成!」
「いえーい!」
ガミくんと紗江子が、ティーカップをカツンとぶつけて、乾杯した。
テンションのわりに地味な乾杯がおかしくて、私は声をたてて笑った。
ウジェーヌくんもとても楽しそう。
いつもは真っ白な顔が少し紅潮していて、こう言ってはなんだけど、ちょっと雪ん子みたいでかわいい。
隣で紗江子たちが騒ぐ中、私がじーっと見すぎたのか、ウジェーヌくんと目が合った。
…問答無用でかわいい。
私は、反射的に目をそらそうとした。
…けど、不思議なことに、できなかった。