FiFTEEN
「オレは最高だった。…あの舞台に立てて、演奏して、審査してもらって認められて…幸せだった。…一番の思い出だ。」


笑顔で答える恩田が見てられなかった。

これで恩田の夢が終わったんだ……



だけど、そのとき伊藤くんが口を開いた。

「ほんとにいいの?それで………ずっと抱いてた夢なのに、諦めんの?」

「…うん。仕方ない。」


「オレが言うのもなんだけど、夢って誰でもあるわけじゃないんだ。オレみたいにないやつだっているし、恩田みたいにあるやつだっている。なのに諦めるやつがいて、仕方ないって言うやつがいて…結局は自分の意志なんかじゃないんだよ、それって…。いいわけだよ、叶わないからって逃げるいいわけ…。誰かに左右される夢は夢なんかじゃない。って、さっきオレも気がつかされたんだけどさ。恩田の音楽に対する気持ちってそんなちっちゃなもんだったの?」



恩田は首を横に振った。


「おまえはそれでいい。別にやめなくたっていいじゃん。…だって結果は、優秀賞ではないけど、頑張った賞だしね。おまえらの曲が認められたことには変わりない。」



「かえる…おまえ、変わったな。」

「オレ、のえる。少し変わったかもね。」

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