FiFTEEN
「だから、この舞台を逃したくない。オレにとって、最初のチャンスだから…。
いい演奏がしたいんだ。」


「おんだ…くん、オレめちゃくちゃ…ご、誤解してた…」

渋谷は泣いてる。


別に泣かなくても…ありえない…


「…やっぱ部長!もっかい、いっとくんのこと説得してみよ!」

津賀が言った。








次の日、休み時間も勉強している伊藤くんの元へ、オレと渋谷で行った。


「だから無理だって。」

「そんときだけでいいからさ~…」

渋谷は手を合わせて言った。


「そのときだけでも、オレにとったら外せない時間なんだよ。」


「そんなじいちゃんみたいなこと言うなよ。…オレら若いんだし、今できることやんなきゃ意味ねぇって。」

「はるちゃん、いいこと言うー!」

「…意味あるし。オレは高校に合格したい。キミらとは違うの。…現実なんだよ、これが。」


わかるかもしれない…現実を見なきゃいけないって百も承知だよ。
だってほら、周りにいるやつだってみんな机に向かって勉強してる。

してないのは、放送部とか…進学校を諦めたやつだけ。


「伊藤くん…その日だけでいいし…」

「無理なもんは無理。」

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