切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「裕実」
カーテンを閉め切った部屋。
遮光カーテンのせいで部屋は真っ暗だ。
そして裕実は俺に背を向け、座っていた。
「部活…じゃないの?」
そう聞こえた裕実の声は今までにないくらい細く、小さな声で。
「昨日のこと…だけどさ」
あえて裕実の質問には答えなかった。
「俺の隣にいたヤツ、日向って言うんだけどさ。
アイツとは…「聞きたくない」
裕実は頭を抱え、言う。
「聞きたくないよ、そんなの。
貴斗はあたしじゃない、違う女の子と花火に来てた。
それが事実でしょ?
言い訳なんて…聞きたくないよ…」
裕実はそう言ったきり、黙り込んでしまった。
代わりに聞こえてきたのは鼻をすする音。
俺は裕実の後ろに立った。
そして体をかがめ、裕実を抱きしめる。
胸が、ざわついてしょうがない。