【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

それだけは、嫌だった。

初めて銃を握らせられてたのが
いつだったのか、よく覚えていない。
感情もなく、戦場でヒトを、
ただただ、撃っていた気がする。
そのあと気づけば、
綺麗な部屋にいて、
特別に訓練を受けていた。
銃の腕が良かったらしい。
どこかで引き抜かれて、
要人の暗殺用に作り変えられていた。
ノインは
それが嫌ではなかったのだ。
銃を撃ち、
自分のはじき出させた弾が
正確な軌跡を描いて飛んで行き、
ターゲットの額にめり込む様が
楽しかった。
楽しいなんてモンじゃない。
血湧き肉踊るっていう感じがした。
ノインには、
弾き出した弾が、飛んでいくのが
本当に見えた。
額に、弾丸がめり込んでいくのが
はっきりと見えた。
だから、特殊な訓練を
受けさされたのかもしれない。

あのまま、続きを生きていたんなら、
それはそれでよかったのかもしれない。
けれど、
今のノインには、もう”普通の感覚”
があり、普通の生活があった。
過去の自分には戻りたくなかった。
けれど・・・






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