【コラボ】碧きコ惑のミューゼ~黄昏の彼方~

mit リヒター


翌日から、リヒターの会社で働くこと
になった。
はじめは助手として、リヒターの手伝
いをするのだ。
そうして、組織の施設に入り込み、下
見をして、爆弾を運びこむ。
そういう計画はもちろん内緒で、会社
の人にはリヒターの親戚として、特別
に雇ってもらった。

「すみません。役に立たなかったら、
即刻クビにしてやってください。この
子の面倒を見てやってくれとは叔母に
言われてるんですけど、本人にやる気
がないなら、クニへ送り返しますんで」

そういうことをいうときは、嬉しそう
だ。
リヒター、さては、あたしのこと、嫌
いだな。
なのに、昨日は甘甘な目で見つめたり
して。
つくづく役者だ。
感心していると、
リヒターに帽子のつばをたたかれた。
おかげでぼそりと顔が埋まる。

「行くぞ、アリス」

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