光を背負う、僕ら。―第1楽章―
鞄からファイルを取り出して、さらにその中からあのプリントを出す。




「これ、来週中が締め切りだって。」



「えっ、何かしら?」




あたしが差し出したプリントをお母さんは受け取り、上から読み始めた。




「進路希望調査か…。やっぱ受験があるだけあって、こういうプリントももらってくるのね。これ、お母さんが書くの?」



「保護者名と判子はお母さんだよ。あたしの名前はもう書いておいた。あっ、あとは選択肢を書かなきゃいけないけど。」



「そう。じゃあ選択肢はお母さんが書くわね。」




そう言うとお母さんは、戸棚の引き出しから判子を、棚の上のペン立てからボールペンを取り出し、ダイニングに行くとダイニングテーブルに着く。



そんな姿を見ながらソファーに座り、鞄を閉めた。



お母さんはぶつぶつと言いながら進路希望調査に書き込んでいく。




「“進学します”と“就職します”では、“進学します”っと。」




ボールペンが動く。




「“進学します”を選択した人に聞きます。第一志望は“県立高校”と“私立高校”のどちらを受験しますか…は、“県立高校”っと。」




また、ボールペンが動く。




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