光を背負う、僕ら。―第1楽章―
微妙な心境でいろいろと考えていたあたしは、先生のその言葉で我に返る。



そして先生の指示通り、机を動かした。



伸一君と達也君も、同じタイミングで机を動かし始める。



先に自分の机を動かしたあたしは、一応真奈ちゃんの机も動かす。




休んでるけど、同じ班のメンバーだもんね。




するとその時、真奈ちゃんの机を動かすあたしに伸一君が話しかけてくる。




「おっ、ありがとな。」



「あっ、うん。」




突然話しかけられたことに動揺したあたしは、思わず素っ気ない返事をしてしまった。




せっかく伸一君に話しかけてもらったのに、惜しいことしたなぁ…。




後悔してそう思うあたしとは関係なしに、伸一君と達也君は班長と副班長を決め始めた。




「班長と副班長、どうする?さすがに休んでる真奈にはさせられないよな。」



「俺、班長するぜ?」



「あっ、伸一やってくれるの?じゃあ俺、副班長やる。」



「おぅ。」



「じゃあ、紙とマジックペン持ってくるとするか。」



「あっ、達也待てよ。」




順調に話が進んで、達也君が席を立った時だった。



突然伸一が達也君を呼び止める。





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