光を背負う、僕ら。―第1楽章―
『佐奈』
伸一君はさっき、あたしのことをそう呼んだ。
伸一君は男女問わず、誰でも下の名前で呼ぶ。
達也君のことを『達也』と呼んでいるのもそのため。
でも、そんな伸一君に名前を呼んでもらえたのはこれが初めて。
多分それは、伸一君と同じクラスになっていなかったことが一番の理由かもしれない。
なおかつ伸一君と関わることが少ないあたしだから、名前を呼ばれることなんてなかったのだろう。
あたしは初めて伸一君に名前を呼ばれたことが、嬉しくて仕方がなかった。
名前を呼び捨てされると、なんだか親しい感じがしてくる。
関わりがないあたしにとっては、唯一の繋がりみたいなものにも感じていた。
「よーし、書くぞ!」
ドキドキしたまま座っていると、右手にポスターを書く紙を、左手に何色かのマジックペンを持った達也君が、ドカッとイスに座った。
友達と喋っていた伸一君も、それを合図に喋ることをやめる。
「まず、下書きだよな。」
さすがクラスの中心人物でもあり、まとめ役の伸一君なだけある。
いつどんな時だって、先頭をきって話を進めてくれる。
班長に向いてるって、すごく思えた。
伸一君はさっき、あたしのことをそう呼んだ。
伸一君は男女問わず、誰でも下の名前で呼ぶ。
達也君のことを『達也』と呼んでいるのもそのため。
でも、そんな伸一君に名前を呼んでもらえたのはこれが初めて。
多分それは、伸一君と同じクラスになっていなかったことが一番の理由かもしれない。
なおかつ伸一君と関わることが少ないあたしだから、名前を呼ばれることなんてなかったのだろう。
あたしは初めて伸一君に名前を呼ばれたことが、嬉しくて仕方がなかった。
名前を呼び捨てされると、なんだか親しい感じがしてくる。
関わりがないあたしにとっては、唯一の繋がりみたいなものにも感じていた。
「よーし、書くぞ!」
ドキドキしたまま座っていると、右手にポスターを書く紙を、左手に何色かのマジックペンを持った達也君が、ドカッとイスに座った。
友達と喋っていた伸一君も、それを合図に喋ることをやめる。
「まず、下書きだよな。」
さすがクラスの中心人物でもあり、まとめ役の伸一君なだけある。
いつどんな時だって、先頭をきって話を進めてくれる。
班長に向いてるって、すごく思えた。