光を背負う、僕ら。―第1楽章―
「佐奈、字上手いだろ?せっかくのポスターを俺ら男子が書いたら汚くなるから、佐奈が書いてくれねーか?」
笑顔で頼み込んでくる伸一君。
あたしはその笑顔にドキドキしてしまって、上手く言葉を出せずにいた。
「あっ…えっと…。」
「伸一、佐奈困ってるだろ?」
横から、達也君の言葉が割り込んできた。
達也君もあたしのことを『佐奈』と呼んだけど、対して気にしていなかった。
達也君も伸一君と同じクラスの中心人物。
同じように誰とでも仲が良い達也君があたしのことを呼び捨てするのは、当たり前のこと。
それでも伸一君があたしのことを呼び捨てにした時に気になったのは、やっぱり伸一君が好きな証拠だった。
「佐奈、ダメか?」
伸一君の言葉で、あたしは我に返った。
この状況で別のことを考えていたなんて、自分に驚いてしまう。
しばらく考え込んだ後、あたしはゆっくりと口を開いた。
「…あんまり字は上手くないよ?でも、あたしで良かったら書きたいな。」
自分の字の上手さに自信がないから、おずおずと答えた。
だけど伸一君の返事はとても明るくて、あたしを元気にしてくれるものだった。
笑顔で頼み込んでくる伸一君。
あたしはその笑顔にドキドキしてしまって、上手く言葉を出せずにいた。
「あっ…えっと…。」
「伸一、佐奈困ってるだろ?」
横から、達也君の言葉が割り込んできた。
達也君もあたしのことを『佐奈』と呼んだけど、対して気にしていなかった。
達也君も伸一君と同じクラスの中心人物。
同じように誰とでも仲が良い達也君があたしのことを呼び捨てするのは、当たり前のこと。
それでも伸一君があたしのことを呼び捨てにした時に気になったのは、やっぱり伸一君が好きな証拠だった。
「佐奈、ダメか?」
伸一君の言葉で、あたしは我に返った。
この状況で別のことを考えていたなんて、自分に驚いてしまう。
しばらく考え込んだ後、あたしはゆっくりと口を開いた。
「…あんまり字は上手くないよ?でも、あたしで良かったら書きたいな。」
自分の字の上手さに自信がないから、おずおずと答えた。
だけど伸一君の返事はとても明るくて、あたしを元気にしてくれるものだった。