らっこの国のお姫さま
「見て~見て~飼育係~ぃ。」

姫はウキウキと飼育係にノートを見せに行きました。

「何ですか、姫!
まだ起きていたのですか。
子供は寝ないといけませんよ。」

飼育係が諭しました。

「だって~、さっき海猫が姫にこれを持ってきてくれたのきぅ~
見て!見て!


『きぅ!がたまりません』

と、書いてあるきぅ~!
嬉しいのきぅ~」

姫は大喜びです。

「それは良かったですね。」

飼育係はにっこりと姫に笑いました。

「ねー、ねー、カレーパーティしようよぉ~」

姫は手にレトルトカレーを持っています。

「やれやれ。
一皿だけですよ。」

飼育係がお湯を沸かし始めました。

「わーい!わーい!
飼育係も食べるきぅよね!?」

姫はお皿を一枚と、スプーンを二つ用意して、テーブルで待っています。

「やれやれ、姫位ですよ。
らっこなのにカレーでも何でも食べるなんて。」

そしたら姫は眉をひそめ、

「何を言うきぅ!
姫はらっこではありません!
人間きぅょ!」

それを聞いていた海猫が、足を滑らせて海に落ちていきました。

その夜城の姫の枕元には、大切そうにノートが置いてありました。



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