ジェネシス(創世記)
一九代国王キンが捕囚されていたある四月、ケバル川の河畔にユダの奴隷たちが住む居住地があった。エゼがいた。木材加工の職人だ。特に木製品の馬車を、個人的に製作していた。それを「ケビム」と銘名した。
また裏庭の畑で、「アフガニスタン小国」から仕入れたケシの花を栽培していた。熟す前のケシの実にキズをつけ、そこから染み出た乳液を乾燥させて、「アヘン」を作っていた。また粗雑だが、「注射器」も内密に作った。これを知る者は限られた人だけだった。
エゼは馬車の中で、アヘンを葉巻にして喫煙していた。エゼは幻覚に浸った。天から、輝く船が舞い降りてくるのが見えた。
母船から、戦車のような天を駆ける乗り物が降り立った。その使者は、司祭者でもないエゼに語りかけた。バビロニアの奴隷でも、「主」の信仰を失ってはならない。布教するようにと命じられた。
エゼは目が覚めると、晴れ晴れとした気持ちに陥っていた。これほどの爽快感を味わったことがない。夢心地で見た世界とはいえ、素直に従った。
エゼは民たちに、奴隷といえども希望を失わないように、布教活動をするのであった。その後も、幻覚を見ることで、自分は「主」と接触する気分に浸っていた。やめられなくなっていた。
エゼは麻薬の依存症となった。昼は奴隷として働き、夕刻には司祭者代行としての顔を持ち、夜はケシを栽培しアヘンを吸う。
さらにバビロニアの軍人に売り付けるという、裏の顔を持っていた。その収益で富を得ていた。麻薬に犯されながらも、布教活動を続けた。
そんなエゼの生活は、いつまでも続かない。バビロニア政府は、麻薬取締令を施行させた。馬車とケシ畑は押収され燃やされた。麻薬の密売で、エゼは逮捕され処刑されてしまうのであった。
また裏庭の畑で、「アフガニスタン小国」から仕入れたケシの花を栽培していた。熟す前のケシの実にキズをつけ、そこから染み出た乳液を乾燥させて、「アヘン」を作っていた。また粗雑だが、「注射器」も内密に作った。これを知る者は限られた人だけだった。
エゼは馬車の中で、アヘンを葉巻にして喫煙していた。エゼは幻覚に浸った。天から、輝く船が舞い降りてくるのが見えた。
母船から、戦車のような天を駆ける乗り物が降り立った。その使者は、司祭者でもないエゼに語りかけた。バビロニアの奴隷でも、「主」の信仰を失ってはならない。布教するようにと命じられた。
エゼは目が覚めると、晴れ晴れとした気持ちに陥っていた。これほどの爽快感を味わったことがない。夢心地で見た世界とはいえ、素直に従った。
エゼは民たちに、奴隷といえども希望を失わないように、布教活動をするのであった。その後も、幻覚を見ることで、自分は「主」と接触する気分に浸っていた。やめられなくなっていた。
エゼは麻薬の依存症となった。昼は奴隷として働き、夕刻には司祭者代行としての顔を持ち、夜はケシを栽培しアヘンを吸う。
さらにバビロニアの軍人に売り付けるという、裏の顔を持っていた。その収益で富を得ていた。麻薬に犯されながらも、布教活動を続けた。
そんなエゼの生活は、いつまでも続かない。バビロニア政府は、麻薬取締令を施行させた。馬車とケシ畑は押収され燃やされた。麻薬の密売で、エゼは逮捕され処刑されてしまうのであった。