ジェネシス(創世記)
「あなたの神から終わりを教えられ、バビロニア王国は引き裂かれるであろう」

 ダルはなぞの絵文字の意味を語り、そのように説き伏せた。実はダルが、前日、人目につかない壁に、その絵文字を密かに描いていた。

その女性に依頼し、壁の絵文字を見つけるように仕向けたのだ。ツァル王子に戒めを施すための、策略だったようだ。その夜、ペルシャ軍は首都バビロンを襲撃するのであった。

 ペルシャ軍の夜襲により、バビロニア帝国は滅びの道をたどった。聖塔ジグラットもまた、ペルシャ軍によって崩壊してしまった。人々はその塔の名を、「バベル」と呼んだ。

 紀元前五三九年、新バビロニア帝国はナボ国王を最後にして、滅び去った。アケメネス朝ペルシャ帝国は、地中海東部から黒海南部、エジプト周辺からインド西部地帯を支配し領土を拡大していった。

 彼らはアーリア語族であり、その遠い子孫に「総統ヒスター」が現れることになるであろう。私は、そんな夢を見た。
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