ジェネシス(創世記)
アスター教(拝火教。ツァラトゥストラはこう語った)

 紀元前七世紀頃、西北イラン(現アゼルバイジャン共和国)にて、ストラという男性が生まれた。

ストラは、光明・生命・清浄を象徴する「光明神マダ」と、暗黒・死・不浄を象徴する「暗黒神アマン」の二大神を崇拝している。

人は、この暗黒神による誘惑・不善に打ち勝つことで身を守ることができるとされる。ストラは、その教えを広める預言者となった。最高神を祭壇上で聖火を灯し、拝むことで「拝火教」とも言われた。

 人は善の神だけを崇拝するが、悪い神が存在するからこそ、人間には欲望や野心がある。悪い神に打ち勝ち、克服してこそ天上の楽園に行けると説いた。

火を拝み、遺体は「沈黙の塔」に放置し、鳥に食べさせるという「鳥葬」を行っていた。けれども、この宗教も紀元七世紀になると、イラム教の普及により急激に衰退するであろう。


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