ジェネシス(創世記)
アダは、一二個の大きな石を円形状に配置し、環状列石(ストーンサークル)を発明した。いわゆる日時計・天体観測機である。太陽の影により、時刻を算出した。

 アダは、月・火星・水星・木星・金星・土星・太陽の存在を確認し、それから一週間を七日とする周期を作成した。一年を通して、その石柱の影が一番長い日を「夏至」と呼び、一番短い日を「冬至」と呼んだ。

 毎日毎日、昼夜関係なく不規則に働いて、体調を崩す労働者が続出した。そのため、気分次第で勝手に狩猟を休む者が多かった。そこでアダは、勤務表の作成にとりかかった。

太陽の日を「日曜日」と定め、全員で休日をとることを決めた。「安息日」だ。その後、金曜日の日没から、土曜日の日没までを安息日とすることに改正された。

 今までは、野生として育った豊富な果実をとって食べていた。それだけ食材には、不自由することなく満ちあふれていた。だが今は違う。

大噴火により森林が消失してしまい、天然の果実や木の実が実らなくなってしまった。食料の確保が困難となった。

 暦を知ることで、アダは作物の栽培を手掛けることを決断した。ダグから貰った多くの「種子」がある。これを植えて育てよう。土を耕し肥料をまく。自分たちの手で作物を作る、「農耕」の始まりである。また、「花」も栽培した。

 幾つもの野菜を栽培したが、主食と言える作物がない。最初に主食とした作物は、「小麦」だった。

実った小麦は、石うすでひいて粉を作り、こねて焼いただけの「パン」という食べ物を作り出した。その後、「じゃがいも」や「とうもろこし」なども栽培された。
 
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