ジェネシス(創世記)
海水を蒸発させて、「塩」を作った。食材の味付けには欠かせない調味料だ。また野菜に塩をからめることで、「漬物」もできた。冬の時代には大切な保存食となった。

 アダは農業の他に、動物を飼育することも覚えた。それはオオカミから始まった。オオカミは忠実だった。主人の言うことを理解し、従った。家族の一員として迎えられた。

 馬は、足代わりになった。当時の馬は、オオカミぐらいの大きさだった。品種改良によって、今の大きさになった。水牛やヤギから、ミルクを搾取した。

土を耕すときにも活用された。羊やロバも飼育した。羊は肉にもなり、衣類として羊毛にもなった。トビやタカも、狩りでは大変役立った。

 漁業も発達した。木のヤリだけで一匹の魚を刺し収穫していたが、植物の繊維から、特に「麻」を加工することで、「網」が作られた。

木材からイカダが作られ、カヤックが作られ、大きな「手こぎ船」も作られるようになった。大量に収穫した魚類も、干物として保存食にもなった。特に「さきいか」は美味しかった。

 たき火に入れた土の塊が乾燥し、それから堅い物体ができた。それを見て不思議に思ったアダは、土をこね試行錯誤の末、「土器」を作り出した。「レンガ」も作られた。
 
今までは、洞穴か丸太や草木で作った家で暮らしていた。しかし、家の造りも大きく変わった。ログハウス、土壁を乾燥させて作った家、コンリートの家、レンガでできた家も建設されるようになった。

裕福で実力のある者は、石灰岩や花崗岩や玄武岩を組み合わせた家を建てていた。高倉式の倉庫や土蔵、物置、土室なども作った。風穴を利用した、天然の冷蔵庫も作った。
 
当時、金属鉱石がまだ発見されていないので、ナイフ、刃物は作られていない。鋭利な石か、トゲのある骨で切削・研磨していた。木材を加工するだけの技術はまだなかった。
 
< 28 / 375 >

この作品をシェア

pagetop