ジェネシス(創世記)
第四章 モズの言葉
第四章 モズの言葉
「私はある。これこそ常しえに私の名。これこそ、世々に私の呼び名(出エジプト記)」

 モズは多くの民を救い、この世を去っていった。いや、「主」のもとへ向かわれたのだ。後を追うように、モズの姉アンも亡くなった。シュアは負傷し、付添人を必要とした。

 ラエル人は、エジプトを脱出した。ゼフは、生まれ育ったこのエジプトの大地を捨てて、アブーが定住したケインという「約束の土地」を目指した。「主」を崇拝し、安心してケインの土地に永住できる日が続くことを願いたい。

 アブーの時代から、いやノエルの時代から、ラエル人は特定の土地をもたずしてさまよい続けた。そんな自分たちを、「さすらう人々・ヘライ人」と名乗った。

 ジパングという国では、「戸来」と書く。厩(馬を飼う小屋)の「戸」とは、平安時代、朝廷の命令で馬を生産するため、七つの村を一つの単位として「戸」を使った。

それが九つの戸として、六三の村が構成された。単なる、当て字である。遠い未来、その国は、私たち民族にとって重大な影響を及ぼすらしい。モズは、そんな夢を見たと言っていた。

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