ジェネシス(創世記)
ゼフたちは大飢饉から逃れるため、ケインの土地を離れエジプトに移り住んだ。それは、四00年以上も続いた。

その間、ケインの土地は、パレス人に奪われてしまった。いずれ戻って、取り返さなければならない。

 エジプト人にとってラエル人は、異国人なのだ。商売にも科学の発展にも、祖先たちは天才的な能力を発揮した。

しかしそれらは、エジプト人に略奪されてしまった。まるでエジプト人が行ったかのように、パピルス(カヤツリグサから作られた紙)に書き記しては、子孫に伝授した。そう、ラエル人は彼らの奴隷となったのだ。

 「主」は、ラエル人の子孫を繁栄と誓った。その約束通り、ここエジプトの大地で人口が急激に増加した。それは、エジプト人にとっては脅威であったのに違いない。

 エジプト人は太陽神、「ラー」を祭っている。国王は、「天空神ホルス」の化身とされた。当然ながらラエル人が崇拝する「主・アーベ」の存在を、彼らは嫌った。

他の宗教、異国の神々を認めなかった。国王や貴族院や将軍たちは、エジプトの神だけを信じるように、強制的にラエル人やその他の奴隷たちを改心させた。

 ラエル人は人口増加にともない、居住区の拡大を国王に求めた。その他の民族たちもまた、要求し出した。

それは逆に、国王たちを怒らせた。いずれこの土地が、ラエル人たちに支配されてしまう。エジプト人は特にラエル人を、迫害するようになった。

 国王ラムセス一世は、ラエル人を奴隷として「アブシンベル神殿」の建設に従事させた。

その建物は、夏至(二月二0日)と冬至(一0月二0日)の日には、最奥部の至聖所まで光が届く、優れた構造になっていた。それを設計したのは、ラエル人の技術者たちだ。
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