蝶々結び
無理っ……!


絶っ対に無理っ!!


よりによって、上杉先生の前で踊るなんてっ……!


あたしは、学校ではそんな事をするような人間には見えない。


それなのに、上杉先生の前で踊るなんて…


恥ずかしくて、もう二学期から学校に行けない。


布団の中に入っても寝付けなかったあたしは、そんな事ばかり考えていた。


あの後は気まずい空気にはならなかったものの、明日のお祭りの事でまた悩むハメになってしまった。


「もうやだ……」


布団に潜りながら、小さく呟いた。


隣にいる母は、あたしの悩みなんてお構いなしに眠っている。


お母さんのバカ……


人の気も知らないで……


また布団に潜り、心の中で母に八つ当たりをした。


「どうしよう……」


きっと今夜は、中々眠れないだろうな……


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