蝶々結び
あたしはパジャマ姿だって事も忘れて、慌てて布団から飛び出した。


「どうしよ〜!お昼までには、神社に行かないといけないのに!」


「まだ時間あるやろ?」


「バカッ!!メイクとか髪とかしなくちゃいけないの!着替えるから出て行って!」


創太と襖の傍にいる上杉先生を追い出して、バタバタと準備を始めた。


普段はメイクなんてほとんどしないけど、お祭りの時だけは薄くメイクをする。


だけど、慣れないメイクをするのに、時間が掛かってしまうんだ…。


服を着替え、洗面台で必死にメイクを始めた。


「もうっ……!」


焦っているせいで、睫毛が上手くカール出来なくて…


ビューラーを使って、何度も睫毛を挟み直した。


何とかカールさせた睫毛に少しずつマスカラを付けると、いつもよりもほんの少しだけ目が大きく見えた。


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