蝶々結び
「ほら、出来たで♪」


創太は満足そうに笑うと、部屋の隅にある全身鏡を指差した。


「可愛い……」


鏡に映ったあたしの髪は、綺麗に結い上がっている。


「創太、すごいねっ♪」


興奮したあたしは、弾んだ声と笑顔で言った。


「俺、美容師になりたいねん♪だから、結構練習とかやってるねん」


「絶対になれるよ!」


あたしは、創太に笑顔を向けた。


「おうっ♪」


彼は照れたように笑って、あたしの頭をポンポンと叩いた。


「頑張れよ♪」


「うん!」


あたし達は顔を見合わせて笑った後、境内に向かった。


程なくして太鼓の音が鳴り響き、お祭りが始まった。


『星の舞』は、お祭りの最初に行われる。


あたしは少しだけ緊張しながら、椅子に腰掛けて笛を構える神主さんと一緒に境内の中にいた。


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