蝶々結び
しばらくの間、沈黙が続いた。


関西に住んでいる創太は、『関西人はよぉ喋るからな♪』って、いつも自分で言うくらい賑やかなのに…


そんな彼が何も話してくれない事が、少しだけ息苦しく感じた。


「……どうかしたの?」


あたしは、思い切って創太に話し掛けた。


「ん〜……」


「何かあったなら、あたしが聞くよ?」


自分の言葉に驚いたけど、創太が大人しいとあたしまで調子が狂う。


「あのさ……」


「うん、なぁに?」


あたしは、創太の隣に座った。


「あ〜……さっき、『スッキリした』って言うてたやん?何の事なん?」


「あぁ……。悩んでた事が解決した、って感じかな」


詳しくは説明せずに、笑顔を見せた。


「そっか……」


創太は小さく言って、また黙り込んだ。


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